小金井市立前原小学校(東京都小金井市、松田孝校長)は11月26日に学校公開を行った。当日は1年生から6年生までの全クラスで1時間のプログラミング授業を実施。その様子を保護者と一般募集の見学者に公開した。一般募集の応募者は250人で、「正確には把握出来ていないが、学外から200人弱、保護者も入れると400人弱は来ていただけたのではないか」(松田校長)と盛況だった。

写真●小金井市立前原小学校のプログラミング授業公開の様子。プログラミング・ロボット「PETS」を使った1年生の授業
写真●小金井市立前原小学校のプログラミング授業公開の様子。プログラミング・ロボット「PETS」を使った1年生の授業
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 前原小学校は松田校長が赴任した2016年度から「総合的な学習の時間」を利用して、3年生〜6年生を対象にしたプログラミング授業を実施している(関連記事:松田校長はなぜ小学校でロボット授業をやりたいのか?)。

すべて学級担任が実施するプログラミング授業

 今回の学校公開で公開された授業は、進行中のカリキュラムから少し離れた公開用の特別授業。小学生向けのプログラミング教育でおなじみの「スクラッチ」などのビジュアル言語だけでなく、絵本からロボット、作曲ソフトまで多彩なプログラミング環境が教材として実験的に採用された。これにより同小学校が実践している「学級担任が実施するプログラミング授業」の一端が明かされた。

写真●自ら積極的に各教室の様子を見て回る松田校長(右)
写真●自ら積極的に各教室の様子を見て回る松田校長(右)
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 26日は普段はプログラミング授業に実施していない1〜2年生のクラスでもプログラミング授業が実施された。松田校長の「低学年は『アンプラグド』でプログラミングを学ぶ」との考えに沿って、パソコンやタブレットを使わないプログラミング授業が展開された。

写真●1年生の授業。電子機器は一切使わず、命令を並べたカードの通り、身体を動かして「プログラム」を体感する
写真●1年生の授業。電子機器は一切使わず、命令を並べたカードの通り、身体を動かして「プログラム」を体感する
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 1年生の2クラスでは絵本「ルビィのぼうけん」(リンダ・リウカス、翔泳社)を題材に、命令のカードを並べてその通りに自分で動いてみたりする授業が、1年の残りの2クラスはブロックを差し込んで動きをプログラムできるロボット「PETS」を使って、3×4のマス目にりんごのカードなどを置き、ロボットで取りに行くといった授業が展開された。