雨後の筍のように増加するICO、警鐘を鳴らす声も

 エンヴィオン社は、こういったマイニング市場の偏在と再エネの供給過剰という2つの課題を解決するためにMMUを開発したという。

 MMUは運送で使用される標準的なコンテナの筐体を利用しており、世界のどこにでも出荷できるとしている。高負荷なマイニング処理を最適に行うため、GPU(グラフィック処理ユニット)とASIC(特定用途向け半導体集積回路)を組み合わせてコスト化を低減した。

 処理はすべて自動化されており、取引データの転送には既存の携帯電話網のインフラを利用するため、太陽光や風力、水力などの発電所のすぐ近くで運用することが可能とする。このため、現在電力網の容量が足りないような遠隔地の発電所でも安価な電力を有効に活用することでマイニング事業の収益性が向上するという。

 これによって、ブロックチェーンのインフラ分散化や電力系統側の安定化が実現できるとする。

 エンヴィオン社は事業資金を調達するため、12月1日から新規仮想通貨公開(ICO)を開始する計画。

 仮想通貨の普及と再エネの導入が世界中で急速に進み始めている現在、これら2つを組み合わせて事業化を狙う企業も増加している(関連記事)。

 これらの企業が事業資金を調達する手段として、従来の新規株式公開(IPO)ではなく自由度の高いICOを選択する傾向が強まっているが、まだこの分野は黎明期にあり投資には慎重な姿勢で臨むべきだと警鐘を鳴らす専門家も多い。