「らいちょうN」(左)と、納入した純水素燃料電池(右)
「らいちょうN」(左)と、納入した純水素燃料電池(右)
赤丸が燃料電池の設置場所(出所:東芝)
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 東芝は11月24日、水素燃料電池を動力源とする実験船「らいちょうN」に、純水素燃料電池を納入したと発表した。

 「らいちょうN」は、野村不動産グループのNREG東芝不動産(東京都港区)と、東京海洋大学が共同で開発に取り組んでいる実験船。両者は、水素燃料電池船を2020年に実運用することを目指している。

 「らいちょうN」による実船試験は、10月に開始している。純水素燃料電池の海上での使用における課題を抽出する。この成果は、国土交通省が進めている燃料電池船の安全ガイドラインの策定にも活用される。

 東芝のエネルギーシステムソリューション社が、出力3.5kWの定置用純水素燃料電池2台を納入した。純水素燃料電池は、水素をそのまま燃料とするため、運行時に二酸化炭素(CO2)を発生させずに発電できるほか、短時間で発電を開始することが可能としている。

 太陽光や風力、バイオマスなど再生可能エネルギー由来の水素を使えば、トータルでもCO2フリー船の航行システムを構築できることになる。