中国の太陽光パネルメーカー大手であるインリー・グリーンエナジーは11月17日、内モンゴル自治区の烏海市で出力100MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を開始したと発表した。

 同社の子会社であるインリーエナジー(チャイナ)社が、中国政府の太陽光発電普及促進策「トップランナー・プログラム」に則って進めるプロジェクトで、同社としては山西省大同市に建設した50MWのメガソーラー案件に次ぐ2件目となる。

 炭鉱跡地にある約2km2の用地を活用し、同社製の両面発電パネル「PANDA Bifacial」を設置する計画。2018年6月の系統連系と稼働開始を見込む。

 稼働後は、石炭火力発電に換算すると年間に60.3tの粉塵と温室効果ガス13.4tの排出量を相殺し、石炭灰1.8tの廃棄量を抑制する効果が見込めるとする。

 トップランナー・プログラムは、「太陽光貧困撲滅プロジェクト」と共に中国政府が推進する主要な太陽光発電の普及推進策として知られる(関連記事1)。インリーは、太陽光貧困撲滅プロジェクトにおいても太陽光パネルの供給を行っている(関連記事2)。

 太陽光貧困撲滅プロジェクトでは低所得者層への太陽光発電の普及を主な目的とするのに対して、トップランナー・プログラムでは高効率な太陽光パネルの普及やメーカーの競争力強化を図っているとみられる。

 インリーのLiansheng Miao会長 兼 最高経営責任者(CEO)は、「今回と同じ両面発電パネルを採用した大同市のプロジェクトでは、従来の多結晶シリコンによる太陽光発電所と比較して月間の発電量が最高で約17%高いというデータを得た。烏海市のプロジェクトも、太陽光発電で高効率と低コストを両立する技術革新を示すショーケースとなるだろう」と自信を示す。