太陽光パネル大手の中国GCL System Integration Technology(GCL-SI)社は21日、ウクライナで1GW以上の大規模太陽光発電所を建設すると発表した。

 30年前にウクライナのチェルノブイリで起きた原発事故によって立ち入り禁止区域となったエリアに太陽光発電設備を設置する。GCL-SI社は、中国China National Complete Engineering社(CCEC)と協力し、この太陽光発電プロジェクトを進めるという。

 1986年にチェルノブイリで起こった原発事故では、膨大な量の放射性物質が飛散した。そのため、周辺の約30km2 の土地が放射性物質で汚染された。ウクライナ政府は、チェルノブイリの立ち入り禁止区域を再生可能エネルギーで復興する方針という。

 今年10月、同国の環境・天然資源庁が、同地に太陽光発電所を建設する計画を打ち出した。ウクライナのオスタプ・セメラーク環境・天然資源相は、「安価な土地と豊富な日光が、このプロジェクトの根底をなしている。加えて、残されている送電施設もすぐに再使用できる」と述べている。

 今回のプロジェクトでは、CCECが元請負者としてプロジェクト全体を管理する。GCL-SI社は、コンサルティングや企画、太陽光発電の施設などを担当するという。

 同社は、2017年の着工を見込み、完成後には、チェルノブイリが太陽光エネルギーで復興した場所として世界的に注目を集めるとみている。Shu Hua会長は、「今年は様々なアプローチで国際展開を進めている。チェルノブイリの太陽光発電プロジェクトも、カギとなるステップの一つだ」と述べている(関連記事)。