CYBERDYNEとAIGジャパン・ホールディングスは2016年11月21日、業務提携契約を締結した。AIGジャパン・ホールディングス傘下の損害保険会社3社が「ロボットスーツHAL」などCYBERDYNE製の製品を活用した保険商品や関連サービスの開発に取り組む。

AIGジャパン・ホールディングス 代表取締役社長兼CEOのRobert L. Noddin氏(左)とCYBERDYNE 代表取締役社長/CEOの山海嘉之氏(右)
AIGジャパン・ホールディングス 代表取締役社長兼CEOのRobert L. Noddin氏(左)とCYBERDYNE 代表取締役社長/CEOの山海嘉之氏(右)
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 CYBERDYNEは2016年9月に大同生命保険と業務提携契約を締結し、ロボット治療機器「HAL医療用下肢タイプ」を用いた新たな保険商品の開発を目指すと発表したばかり。大同生命保険との提携は生命保険に限ったもので、今回AIGジャパン・ホールディングスとの提携は損害保険分野で適用される。

AIGジャパン・ホールディングス 代表取締役社長兼CEOのRobert L. Noddin氏
AIGジャパン・ホールディングス 代表取締役社長兼CEOのRobert L. Noddin氏
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 2016年11月21日に開催した会見には、AIGジャパン・ホールディングス 代表取締役社長兼CEOのRobert L. Noddin氏が登壇。今回の提携で目指すのは、「顧客が全面的に回復し、早期の社会復帰を可能にする保険」(Noddin氏)だという。

 現在の損害保険業界は、顧客がケガを負った場合、その度合いに応じて保険会社が保険金を支払うのが一般的だ。これに対してAIGジャパン・ホールディングスは、かねて「ACTIVE CARE」というコンセプトを掲げてきた。これは、起きてしまった出来事への補償だけでなく、事故が起こらないようリスクを最小化する予防サービスの提供を目指す考えだ。CYBERDYNEのロボティクス技術を活用することで、「保険金を支払うだけでなく、ケガのリスク低減や早期回復を支援する保険を目指す」とNoddin氏は意気込む。

CYBERDYNE 代表取締役社長/CEOの山海嘉之氏
CYBERDYNE 代表取締役社長/CEOの山海嘉之氏
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 そのために、CYBERDYNEのロボティクス技術を顧客に直接提供する。会見に登壇したCYBERDYNE 代表取締役社長/CEOの山海嘉之氏は、例えば次のようなイメージを描く。「作業支援用デバイスを職場に導入することでケガを予防し、HALを使ったリハビリテーションで早期回復を狙う」(山海氏)。これによって「AIGジャパン・ホールディングスが支払う保険金や社会全体にかかるコストを削減できると期待している」(Noddin氏)。

 商品の具体的な中身については、当局と調整中だといい、「2017年初頭には結論に達するのではないか」とNoddin氏は見越す。