欧州の太陽光発電業界団体であるSolarPower Europeは10月26日、太陽光発電の新規導入量が2017年にグローバルで初めて100GWの水準に達するとの見通しを発表した(図)。76.6GWの太陽光が系統連系された2016年の水準から30%以上の成長になるという。

SolarPower Europeによる太陽光発電のグローバル需要推移
SolarPower Europeによる太陽光発電のグローバル需要推移
(出所:SolarPower Europe)
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 同団体のMichael Schmela参与兼市場情報部長は「政策による後押しが太陽光発電の増加に寄与した。太陽光はクリーンなエネルギーであり、世界のほとんどの国で現在最も低コストの発電技術となっている」と述べている。

 SolarPower Europeの調査によると、中国だけで2017年1~9月の9カ月間で約42GWの太陽光発電を導入しており、通年では合計で50GWを超えると見られている。これは、2017年の太陽光の需要の半分以上を占めることになる。中国は昨年、34.5GWの太陽光を導入しており、前年比45%の増加となる。

 一方、欧州では約10%成長し、2017年に少なくとも7.5GWが系統連系されるという。前年比約20%減となる6.7GWの導入に留まった2016年と比べ、小幅ながら増加に転じた。

 同団体のThomas Doering政策アドバイザー兼市場情報部アナリストは「ドイツでは、わずか2年半で太陽光発電の平均入札価格が約50%下落し、4.91ユーロセント/kWhとなった。スペインでは、政府のクリーンエネルギー入札で4GWの太陽光発電が決まったばかりだ。欧州では太陽光に投資する環境が整ってきた」と説明している。

 また、同団体のJames Watson CEO(最高経営責任者)は、「EU(欧州連合)レベルでは、2030年までに少なくとも35%の再エネ比率という目標を達成する必要がある。この機会をうまく活用すれば、欧州全体で太陽光に対する雇用や投資がさらに増加し、太陽光への需要が再び成長することになるだろう」と期待している。

 SolarPower Europeは2016年6月にも太陽光のグローバル市場における見通しを発表した(関連記事)。同団体は、その時点で太陽光の年間の新設容量が2015年に50GW、2016年に約62GWとの見通しを示していた。実際には、2016年の結果が上方修正され、太陽光発電市場の成長が2017年もさらに継続する形となっている。