太陽光パネル大手の中国GCL System Integration Technology(GCL-SI)社は16日、タイで10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設するため、Enmax Holding(Enmax)社と提携したと発表した。

 GCL-SI社は、太陽電池用のシリコンインゴットからパネルまでの製造を手掛けるGolden Concord Group(GCL)社の系列企業。GCL-SI社が海外企業と提携し、メガソーラーの統合的なソリューションを提供するのは、今回が初めてという。

 今回のメガソーラープロジェクトでは、GSL-SI製の260W/枚の太陽光パネル「GCL-P6/60G」を採用している。年間の発電量は1万5552MWhを見込む。火力発電に換算すると5600tの標準的な石炭に相当し、温室効果ガス排出量を大幅に削減できるとしている。

 同社はEnmax社に対し、統合的なソリューションとして太陽光パネルだけでなくパワーコンディショナー(PCS)や架台も供給した。タイTMB Bankからターンキー・システムとして承認されたという。

 2つの5MWのメガソーラーから構成されており、バンコク近郊のパンタイ(Pantai)などで現在、建設中である。GCL-SIは10月に太陽光パネルを出荷しており、12月15日までの竣工を見込む。

 中国GCLグループは、2015年に2GW以上の太陽光パネルを出荷したという。グローバルでの資産価値は約160億ドルで、同社が供給する太陽光パネル向けシリコンの市場シェアは22.2%としている。

 太陽光パネル市場では供給が需要を大幅に上回っており、メーカー各社は利益率の低下に陥っている。このため、太陽光パネルの販売だけでなくソリューションサービスやメガソーラー運営など、川下の事業まで関与する動きが目立っている。今回GCLグループが発表したタイのメガソーラー事業も、こうした事例の一つと言える(関連記事1関連記事2)。