インドのエネルギー開発事業者であるAzure Power社は11月10日、ジャールカンド(Jharkhand)州の無電化地域でマイクログリッドやミニグリッドによる電化事業に参入すると発表した。

 ジャールカンド州はインド東部にあり、電力省によると300万世帯以上が未電化の状態という。インド全国では、4000万世帯以上が現在も未電化とみられる。

 同州の電化を促進するため、ジャールカンド再生可能エネルギー開発局(JREDA)は、分散型太陽光発電所の設計、供給、建設、稼働、5年間の運営などからなるプロジェクトを配電網の整備と共に進めてきた。

 Azure社はこれらのプロジェクトの1件を受注し、マイクログリッドやミニグリッドの開発によって11村落の320世帯を電化するという。

 モディ政権は9月25日、2018年12月までにインド国内の4000万世帯の無電化地域を電化する「Saubhagya(サウバギャ)」計画を発表し、投資総額1600億ルピー(約2780億円)を承認している。この電化目標を達成するうえで、太陽光や風力によるマイクログリッドやミニグリッドが中心になるとみられる(関連記事1)。

 Azure Power社のInderpreet Wadhwa会長兼CEO(最高経営責任者)は、「インドの無電化地域解消という課題を、低コストで信頼性の高い太陽光エネルギーで解決していく。モディ首相が公約した『全国民への24時間電力供給』の実現に向けて貢献したい」と述べている。

 Azure Power社は、インド国内で各種の太陽光発電プロジェクトの開発を活発に進めている。例えば、南部のアーンドラ・プラデーシュ(Andhra Pradesh、AP)州では出力100MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を稼働しており(関連記事2)、インド鉄道向けには全国で20MWの屋根上太陽光発電を受注している(関連記事3)。

 同社は現在、22州(連邦直轄領も含む)で1630MW(1.63GW)以上に達する太陽光発電のポートフォリオを保有しているという。