大塚製薬と米Proteus Digital Health社は2017年11月13日(米国時間)、錠剤にセンサーを内蔵して服薬を管理するデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite)」の承認をFDA(米国食品医薬品局)から取得したと発表した。「医薬品と医療機器を一体化して開発された世界初のコンビネーション製品」(大塚製薬)という(関連記事:薬×ICT、始まる)

 エビリファイ マイサイトは、大塚製薬の抗精神病薬「エビリファイ」の錠剤に、Proteus社が開発した摂取可能な極小センサーを組み込んだもの。パッチ型シグナル検出器および専用アプリと組み合わせて使い、患者の服薬状況を記録。スマートフォンなどのモバイル端末を通じて、医療従事者や介護者との情報共有を可能にする。エビリファイの適応である成人の統合失調症、双極性Ⅰ型障害の躁病および混合型症状の急性期、大うつ病性障害の補助療法に使用する。

 エビリファイ マイサイトを服用すると、内蔵するセンサーが胃内でシグナルを発し、患者の身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」がそれを検出。この検出器は患者の服薬データや活動状況などのデータを記録し、専用アプリに送信する。同アプリには、睡眠や気分などに関する情報を患者が入力することも可能だ。これらのデータはモバイル端末に転送され、患者の同意があれば医療従事者や介護者とも共有できる。

 デジタルメディスンについては2016年4月、FDAの承認が下りず、追加データの提出などを求められていた経緯がある(関連記事)。大塚製薬とProteus社は今回の承認取得を受けて、まずは米国で少数の患者の使用経験を通じ、製品の価値を確認していくという。