電子デバイス検査装置を手掛けるアイテス(滋賀県野洲市)は11月14日、同社の太陽光パネル点検装置「ソラメンテ」が、NTTファシリティーズのO&M(運用・保守)サービスに採用されたと発表した。
アイテスは、日本IBM野洲工場の品質技術部門から、1993年に分離独立した企業。「ソラメンテ」は、不具合を生じた太陽光パネルを特定するための点検装置である。
日照の変化による出力変動などの影響を受けにくい手法で知られる。接続箱からストリング(太陽光パネルを直列・並列に接続し、接続箱に入力する単位)に微弱な検出用信号を流し、開放電圧と抵抗を測定する。複雑な操作を必要とせず、迅速に不具合を生じたパネルを特定できる特徴があるとしている。
NTTファシリティーズは、2015年から「ソラメンテ」を試験的に導入していた。1年間の試験期間を経て、正式に採用された。試験期間中には、合計出力525MWの太陽光発電所のO&Mで効果を検証してきた。
アイテスによると、不具合を生じたパネルの特定までの速さと正確性が認められ、NTTファシリティーズが全国各地で受注している太陽光発電所のO&Mサービスに使う主要機器として採用が決定したとしている。
NTTファシリティーズは、2016年12月までに、国内7カ所の支店に配備する。「太陽光発電所診断サービス」や「不良パネル探索サービス」を強化するために使う。
「ソラメンテ」は、2014年に販売を開始して以降、小規模発電所からメガソーラー(大規模太陽光発電所)まで、O&M事業者を中心に、960台以上を納入した実績がある。2017年には、年間1000台以上の販売を見込んでいる。