分離されたガラスと電池部分
分離されたガラスと電池部分
(出所:NPC)
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ホットナイフ分離装置
ホットナイフ分離装置
(出所:NPC)
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 PVテクノサイクル(東京都大田区)は、11月1日から使用済み太陽光パネルのリサイクル事業を開始した。これまで粉砕して埋め立て処分が主流だった使用済パネルについて、カバーガラスを分離することで再資源化を可能にした。

 同社は、太陽電池製造・検査装置メーカーのエヌ・ピー・シー(NPC、東京都台東区)と、産業廃棄物を手掛ける浜田(大阪府高槻市)の合弁会社。代表者はNPC社長の伊藤雅文氏が務める。資本金は900万円で両者が折半出資した。

 使用済み太陽光パネルの再資源化は、NPCの独自技術により実現した。加熱した特殊な刃(ホットナイフ)を用いて太陽光パネルからカバーガラスを剥がし取る。新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)による「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」で開発した。

 NPCによると、太陽光パネルから重量比で約8割をガラスとして回収できる。また、それ以外の部分からは銀や銅などの有価物を回収できる。銀の含有率は、重量比で0.4%程度という。

 太陽光パネルの製品寿命は20〜30年程度とされており、2030年代後半から大量廃棄が見込まれる。PVテクノでは年間1万枚の処理を目指す。

 太陽光パネルのマテリアルリサイクル(材料の再利用)については、カバーガラスを分離する技術がカギになっている。ホットナイフ方式のほか、研磨剤を噴射するブラスト(吹き付け)手法や、特殊なブラシで機械的に剥離する手法が開発されており、開発企業などがリサイクル事業に乗り出している(関連記事1)(関連記事2)。