実証のイメージ
実証のイメージ
(出所:豊田通商)
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 豊田通商と中部電力は11月07日、愛知県豊田市において電気自動車(EV)の蓄電池に充電した電気を電力系統へ供給するV2G(Vehicle to Grid)実証試験を実施すると発表した。期間は11月14日~16日および12月12日~14日の2回。

 V2Gは、EVなどの車載蓄電池を活用することで、太陽光や風力発電の出力変動を抑制する「調整力の提供」や、太陽光の余剰電力を蓄電して必要な時間帯に供給する「供給力シフト」を可能にする、再生可能エネルギーの課題を解決できる技術として期待される。

 実証試験では、豊田通商と米ベンチャー企業Nuvveが共同構築したV2G制御システムと連動する充放電器とEVを、豊田市民文化会館駐車場に各2台ずつ設置。EVの蓄電池から実際の電力系統への受電や供給の応動時間や継続性を検証し、V2Gの需給調整力を確認する。特に、V2G制御システムの指令に対して早い応答が求められる周波数調整力としての活用の可能性を検証する。

 合わせて、電力系統に計測器を設置し、充放電器からの電力系統への供給に伴う電力系統への影響を確認する。実証試験の結果をもとにV2Gの活用に向けた課題をまとめ、2019年2月に資源エネルギー庁へ報告書を提出する予定。

 豊田通商は、アグリゲーターとしてV2G制御システムを活用し、電力系統に対して調整力の提供や再エネの供給力シフトなどのEVの新たな価値創造を目指す。また、中部電力は、一般送配電事業者の立場からV2Gの電力系統への影響を評価し、新たな調整力の確保につながる技術の向上に寄与することで、安全・安価で安定的な電力供給を目指す。