遠隔監視システム「L・eye」の監視画面
遠隔監視システム「L・eye」の監視画面
(出所:ラプラス・システム)
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 ラプラス・システム(京都市)は11月6日、太陽光発電向け遠隔監視システム&サービス「L・eye」の導入件数が今年10月に1万件を超えたと発表した。2017年4月に施行された固定価格買取制度(FIT)の改正法による点検・保守の義務化に伴い、10kW以上50kW未満の低圧連系案件で導入が増えたためとしている。

 「L・eye」は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの発電量や設備の稼働状況を把握できるシステムで、2012年7月のFIT開始とともにサービスを提供し始めた。低圧連系案件から特別高圧送電線に連系する大規模案件まで対応可能で、特に50kW以上の高圧連系案件の市場ではシェア1位を獲得しているという。

 今回の導入件数1万件を達成した直接的なニーズとしては、メンテナンス義務化により、発電量の低下やパワーコンディショナー(PCS)のエラー情報を取得できる遠隔監視システムの導入により、効率的な保守に取り組む事業者が増えたことという。

 また、九州電力や四国電力などでの出力制御に対応するため制御率や発電量を確認する目的や、セカンダリー市場の活性化に伴い発電所の資産価値を維持するために発電量の低下を最小限に抑える目的で、後付けで遠隔監視システムの導入が増えているという。

 同社は今後、発電実績を客観的に評価する機能を順次、拡充する予定。発電量をさまざまな観点から分析することで、効率的な保守を実現し、運営コストを削減するとともに、売電収入の減少を抑えることを目指す。