図1 パナソニックの開発した「荷仕分け支援システム」
図1 パナソニックの開発した「荷仕分け支援システム」
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 パナソニックが物流倉庫での荷仕分け作業を効率化する荷仕分け支援システムを開発した(図1)。ベルトコンベアー上を流れる荷物の上に、プロジェクターを用いて色や記号を投影することで、荷仕分けの作業者に自分が担当する荷物が直感的に分かるようにする。そうすることで作業効率を上げると共に、日本語や日本の地理に詳しくない外国人の作業者でも荷仕分け作業に従事できる。2016年度中に実証実験を実施する予定だ。

 同社が導入を狙うのは、物流業者が市や町につき1つ所有するような「集荷・配送倉庫」である(図2)。集荷・配送倉庫は全国に数百〜数千棟あるとされ、その数の多さから全ての倉庫の自動化は困難だという。集荷・配送倉庫では現在、作業員の手作業で荷仕分けを行っていることが多い。例えば、ベルトコンベヤーで流れてくる荷物に添付した配達先の住所を作業員が確認、自分の担当する地域の場合はピックアップするといった具合である。

図2 物流事業者は集荷・配送倉庫に加えて「主幹大型倉庫」と呼ぶ地方や地域に1つ大型倉庫を持つ。主幹大型倉庫の仕分け作業は全自動化している所も多いという(図:パナソニック)
図2 物流事業者は集荷・配送倉庫に加えて「主幹大型倉庫」と呼ぶ地方や地域に1つ大型倉庫を持つ。主幹大型倉庫の仕分け作業は全自動化している所も多いという(図:パナソニック)
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 しかし、この方法では住所などを人が確認する必要があるため、ベルトコンベヤーの速度を上げることが難しい。加えて、最近は作業者の確保が困難になり、倉庫の仕分け作業に外国人労働者を採用する機会が増えてきている。しかし、外国人労働者がこの作業にすぐに対応することはできない。日本語や日本の地理に詳しくないためだ。