救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC)が主催する「救急医療・災害対応におけるIoT利活用推進コンソーシアム」は2016年11月8日、救急医療・災害対応におけるIoT利活用モデル実証事業に関する実証実験を、九州大学伊都キャンパス(福岡市)で開始したと発表した。

 EDACは、ドローンなどの技術を災害・救急用途に活用することを目指す団体(関連記事)。今回の事業は総務省のIoTサービス創出支援事業に採択されたもの。ヘカトンケイルシステムのリファレンスモデルを構築し、特区制度を活用した実証実験を通じてその普及のための課題や要件を整理する。ヘカトンケイルシステムとは、各種のウエアラブルデバイスやスマートフォンアプリ、119番通報などによる受動的情報収集と、ドローンなどの無人機による能動的情報収集やフィードバックを半自律的に統合するシステムを指す。

開発を目指すヘカトンケイルシステムの概要
開発を目指すヘカトンケイルシステムの概要
[画像のクリックで拡大表示]

 実証実験では、「ウエアラブルデバイスなどを活用した模擬心停止の早期認識による通報」「無人機を活用した迅速な現場特定による傷病者に接触するまでの時間短縮」「無人機やセンサーなどの情報やバイタルサインなどのパーソナルデータなどのヘッドマウントディスプレイへのAR表示」「無人機を活用した迅速な被害状況の把握による必要な消防力の早期投入」について検証する。

 救急医療・災害対応におけるIoTの有用性やさまざまな条件下での無人機運用などについて確認するほか、パーソナルデータなどの安全な利活用、無人機のハッキングへの対処といった課題の克服も目指す。2017年2月上旬に開催予定のシンポジウムで成果を発表する。