触覚センサーの応用イメージ(右)と断面
触覚センサーの応用イメージ(右)と断面
今回の成果は、第33回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(長崎県平戸市、2016年10月24~26日)で発表した。
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MPWで破損した箇所
MPWで破損した箇所
今回の成果は、第33回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(長崎県平戸市、2016年10月24~26日)で発表した。
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形成したTSV
形成したTSV
今回の成果は、第33回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(長崎県平戸市、2016年10月24~26日)で発表した。
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 東北大学、トヨタ自動車、豊田中央研究所の3者は、ロボット表面を覆う小型触覚センサーとICを積層して表面実装可能にする技術を共同開発した。積層にTSV(Si貫通ビア)を使ってチップ面積を小さくするとともに、独自の製造プロセスの導入で試作段階の開発コストを1桁抑える。

 トヨタは、人間と共存するサービスロボットを開発中。ここには触覚センサーが欠かせないとみて、東北大学の田中(秀)研究室とMEMS(微小電子機械システム)による素子・実装技術の開発を進めてきた。リボン状のフレキシブル基板にセンサーを表面実装し、ロボット表面に包帯を巻き付けるようにして全身を覆う。センサーはシリアル配線で数珠繋ぎにするため、センサー信号のデジタル化と通信インターフェースのためのICとセンサーを一体化する必要がある。できるだけ高密度に表面を覆うために、小型で表面実装できることも求められる。

 センサーとICは、MEMS向け製造技術で形成可能なTSVによって積層し電気的に接続。センサーの信号を下層のICへ送り、ICで処理後のデータをさらに下層の基板へ流す。ボンディングワイヤーで接続する手法に比べて、ワイヤーを接続するためのボンディングパッドをICチップ上に設ける必要がないために、チップ面積と実装面積を最小限に抑えられる。スマートフォンやIoT(Internet of Things)機器向けセンサーでも主力の実装手法となりつつある。