三菱重工の社長兼最高経営責任者(CEO)の宮永俊一氏
三菱重工の社長兼最高経営責任者(CEO)の宮永俊一氏
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 海でも空でも陸でも逆風が吹き荒れ、三菱重工業(以下、三菱重工)が緊急対応を迫られている。

 2016年10月31日、三菱重工が発表した2016年4~9月期の連結決算は、前年同期比で売上高が7%減の1兆7505億円、営業利益が67%減の384億円、経常損益が1137億円悪化して18億円の赤字となった。

 とりわけ業績不振が著しかったのが交通・輸送ドメインだ。同ドメインの営業損益は510億円悪化して180億円の赤字となった。海では設計変更の影響や工事の遅延が目立っていた商船部門でコストが悪化した。

 空では米Boeing社向けやカナダBombardier Aerospace社向けなどが主力の民間航空機部門が、円高の進行による為替関連のマイナス、減産、コストダウン未達の影響を受けた。さらにMRJ(Mitsubishi Regional Jet)の開発費が増加したことも響いた。

 陸では機械・設備システムドメインの営業利益が129億円減少して229億円となった。製鉄機械やコンプレッサーの販売減が響いた。エネルギー・環境ドメインの営業利益も92億円減少して285億円となった。化学プラントの減益が影響した。