太陽光関連事業の倒産・年次推移
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(出所:東京商工リサーチ)
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太陽光関連事業の倒産・年次推移
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負債額別・2016年1~9月太陽光関連事業の倒産状況
負債額別・2016年1~9月太陽光関連事業の倒産状況
(出所:東京商工リサーチ)
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 東京商工リサーチは10月31日、2016年1~9月の太陽光発電事業者の倒産状況を発表した。同期間の倒産は42件で、前年同期比10.5%増加した。「このままのペースで推移すると、年間最多の2015年の54件を上回り、調査を開始した2000年以降で最多を記録する可能性もある」としている。

 2016年1~9月の負債総額は185億200万円で、前年同期比10.9%増となった。年間での負債総額の最多は2015年の213億5500万円だったので、「件数とともに負債額でも過去最多となる可能性がある」とみている。

 負債額別では、1億円以上5億円未満が最多で18件(構成比42.8%)。次いで、1000万円以上5000万円未満が13件(同30.9%)、5000万円以上1億円未満が7件(同16.6%)と続く。2016年1~9月に発生した全業種の企業倒産6360件では、1000万円以上5000万円未満が最も多く、構成比で54.3%(3548件)を占めた。太陽光関連事業者は、設備などへの先行投資もあるため全業種より負債規模が大型化しているという。

 ただ、前年同期比では、1000万円以上5000万円未満の増加率が30.0%(10→13件)と高水準で、太陽光関連市場の苦境が企業規模の大小を問わず影響を与え始めていると、分析している。

 主な事例としては、日本ロジテック(東京都、負債額約120億円)、太陽エナジー販売(神奈川県、負債額1億4600万円)、サン・エコイング(兵庫県、負債額1億1300万円)を挙げている。

 「段階的な買い取り価格引き下げや同業者の増加で太陽光バブルは終焉を迎え、淘汰の時代に入っている。独自での体質強化が難しい企業は、事業統合やM&Aなどによる規模拡大で経営効率の改善を推し進める必要も出てくる。市場の急激な変化の中で、波に乗り切れない中小規模の太陽光関連事業者の淘汰がしばらく続く可能性が高い」と分析している。