レーダーチャートによる総合評価の実施例
レーダーチャートによる総合評価の実施例
(出所:JPEA)
[画像のクリックで拡大表示]

 太陽光発電協会(JPEA)は10月19日、「太陽電池モジュールの環境配慮設計アセスメントガイドライン」(第1版)を公表した。太陽パネルメーカーが、環境に配慮した設計を事前に評価する項目や方法を提示した。これまでは、各社が独自の基準で取り組んできたが、業界で統一した基準を作ることで、環境配慮設計の継続的な推進と情報公開を促す。

 同ガイドラインでは、「環境配慮設計」の定義を、「製品のライフサイクル全般において、環境負荷をより低減するように改善を継続する活動」と捉えた。絶対的な評価基準を示したわけではなく、各社が新製品の環境性能を従来機種と比較し、その改善度合いを各社独自に点数化する。環境配慮に関する向上の幅を複数の視点で定量化し、点数に直して総合的に評価できるようにした。そのためのチェックリストを作成した。
 
 チェックリストの評価項目は13の大項目と38の小項目からなる。大項目は、減量化・共通化、再資源の使用、梱包、製造段階における環境負荷低減、輸送の容易化、使用段階における創エネの向上、長期使用の促進、撤去の容易性、再資源化の可能性、解体・分別処理の容易性、環境保全性、情報提供、ライフサイクルの各段階における環境負荷削減となっている。設計から、製造、運搬、使用、廃棄までのライフサイクル全体を網羅した。

 使用時における創エネ性能では、面積当たりの発電量を重視し、モジュール効率を比較する。一方、減量化や梱包、廃棄物、輸送負荷、有害化学物質など、環境負荷量の評価はパネルの定格出力(W)で割った原単位を算出し、その削減度合いを評価する。

 再資源化の可能性に関しては、パネル総重量をリサイクル可能な部品・材料の総重量で割った「リサイクル可能率(%)」を指標として示した。また、削減すべき有害化学物質としては、はんだに含まれる鉛、フッ素系バックシートに含まれるフッ素を挙げた。