ヘルスケアマーケット・ジャパンは、グループ経営を行う介護事業者間の異動・転籍調整を一元管理する「社内再マッチングシステム」の実証実験を開始した。実証は、2017年10月2日からSOMPOホールディングス傘下のSOMPOケアグループが運営する介護施設と在宅事業所で開始した。

 ヘルスケアマーケット・ジャパンは、訪問介護ヘルパーと複数の介護事業所の仕事を最適にマッチングさせるサービス「ユアマネージャー」を展開している(関連記事)。今回のシステムは、これを流用してグループ経営を行う事業者向けにカスタマイズした。

 家庭環境の変化や職場の人間関係への不満などから離職を検討している職員に対して、周辺で通勤可能な範囲にあるグループ内施設・事業所を網羅的にピックアップして異動・転籍を調整する。人財の社外流出を抑制することを狙う。

社内再マッチングシステムの概要イメージ
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 社内再マッチングシステムでは、登録された離職検討者の情報から、通勤可能な範囲の介護施設・在宅事業所を各経路で網羅的にピックアップし、候補事業所に対して受け入れ可否の返答を依頼する。候補事業所に対しては、作業依頼メールで「◯:受け入れ可能、×:受け入れ不可、△:条件付き受け入れ可能」を入力すると、受け入れ先の状況に反映される。

社内再マッチングシステムの画面イメージ
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 異動・転籍の調整オペレーションをシステムがサポートすることで、離職検討者への対応スピードの向上や異動先選定の手間の削減を実現。離職検討者に提示できる働き方の選択肢を最大化し、離職率の低減や採用・教育コストの削減につなげる。

 2017年10月24日からは、一般事業者向けサービスとしての社内再マッチングシステムの導入相談を開始した。提供開始日は同年12月1日。提供開始エリアは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県。利用料は1事業所当たりの月額制で、導入環境はオンプレミスとクラウドが選択できる。