「SC-1」(写真:ソニー)
「SC-1」(写真:ソニー)
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 ソニーは、同社のイメージセンサーを活用した試験車両「New Concept Cart(ニューコンセプトカート) SC-1」を開発した(発表資料)。感度が高い「35mmフルサイズ」の裏面照射型CMOSイメージセンサーを車両の前後左右に搭載し、車両の周囲に焦点が合った映像を撮影。それを車内の49型の4K液晶ディスプレーに表示し、乗員に周囲の様子を見せる。この仕組みによって、夜間でもヘッドライトなしに乗員が周囲を視認できるという。この結果、窓を不要にした。

 窓の代わりに車外に搭載したのが、55型の4K液晶ディスプレー4台である。このディスプレーを使い、さまざまな映像を車両の周囲にいる人に見せる。イメージセンサーで撮影した映像をAI(人工知能)技術で解析することで、インタラクティブに情報を発信できるという。この機能を利用し、例えば車両の周囲に存在する人の性別や年齢などを考慮した広告表示を可能にする。

 MR(Mixed Reality)技術も導入した。イメージセンサーが撮影した映像に、さまざまなコンピューターグラフィックス(CG)を重畳して車内ディスプレーに表示できる。これにより、車窓がエンターテインメント空間に変わり、移動自体の楽しみにつながるとみる。