藤木俊光部長
藤木俊光部長
(出所:日経BP)
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呉村益生課長補佐
呉村益生課長補佐
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 経済産業省 省エネルギー・新エネルギー部の藤木俊光部長と、同部新エネルギー課の呉村益生課長補佐は10月20日、JPEA(太陽光発電協会)の開催した太陽光発電シンポジウムで講演し、太陽光を巡る政策動向などに関して解説した。
 
 藤木部長は、「太陽光発電は日本の基幹電源として成長していく。エネルギーの転換は社会や産業が変化していくことを意味し、それにより豊かな未来を作っていきたい」と語った。そして、太陽光のさらなる促進策として、(1)固定価格買取制度(FIT)の適切な運用、(2)系統問題への取り組み、(3)規制・制度改革、(4)関連産業の競争力強化とコスト低減――という4つの政策を挙げた。

 これを受け、呉村課長補佐は、改正FIT法の施行に向けた具体的なスケジュールを示した。認定関連では、2016年12月までに新認定制度のガイドラインとシステム設計などを公表し、2017年1~3月に新認定制度の全国説明会を実施するという。4月に改正FIT法が施行されて、接続契約の未締結など一定の条件をクリアしていない未稼働案件の認定が失効。9月までに新認定制度に基づく事業計画を提出――という手順になる。

 また、買取価格に関しては、2016年12月までに調達価格等算定委員会で中長期的な価格目標、入札制度の指針、次年度以降の買取価格などを決定し、2017年1~3月に、価格関連の省令・告示を公布。8月以降、入札制を開始――というスケジュールという。

 また、呉村課長補佐は、ローカル系統の空き容量不足に関する解決案として、「個人的な見解」としつつ、「送電線の熱容量問題を回避するための出力制御を条件に、まず系統に接続し、その後に系統増強を進めるという方法も検討の余地がある」との考えを示した。

 今回のシンポジウムでは、自然エネルギー財団の分山達也上級研究員がローカル系統の空き容量不足に関して分析し、「ローカル系統の容量は、発電出力、需要、電源構成が系統に最も厳しい条件でも熱容量問題が発生しないように検討されており、それを前提にした増強工事は過剰投資になっている可能性もある」と指摘した。

 欧州では、ローカル系統に風力や太陽光をまず接続し、混雑発生時に再エネの出力を抑制するという運用が一般的という。
 
 今後、ローカル系統制約の解消を目指した議論の中で、こうした運用方法や接続ルールの創設がテーマになりそうだ。