中国トリナ・ソーラー社は18日、多結晶シリコン太陽光パネルで19.86%の変換効率を達成、世界記録を更新したと発表した。

 同社の太陽光発電技術国家重点研究室(State Key Laboratory of PV Science and Technology:SKL PVST)が、2015年4月に発表していた19.14%の変換効率から1年半で約0.72ポイント(3.8%)の性能向上を実現したもの。

 この変換効率は、独フラウンホーファー研究機構・ISE研究所(Fraunhofer ISE CalLab)が第3者機関として認定した結果とする。パネルの面積はマスクによる開口部で1万5140cm2、多結晶p型シリコン太陽電池セル(発電素子:156×78mm2)を120枚使用している。

 今回の成果について同社は、太陽電池ハーフセルの相互接続、裏面不動態型セル(PERC:Passivated Emitter and Rear Cell)、高効率な光閉じ込め、などの技術を駆使して実現したという。

 同社のピエール・ヴェルリンデン(Pierre Verlinden)副社長 兼 SKL PVST主任研究員は、「太陽光発電では均等化発電原価(LCOE)を低減することが重要であり、そのためには太陽光パネルのコスト低減や発電効率の向上が必要である。19.86%の変換効率という成果は、多結晶p型シリコン研究の将来に大きな可能性があることを示している」と述べている(関連記事)。

 今後もこれまでと同様のペースで変換効率の改善が続けば、市販の多結晶シリコン太陽光パネルでも20%前後の変換効率が一般的となる可能性もありそうだ。