中国のWuxi Suntech Power(無錫サンテックパワー)社は17日、欧州連合(EU)が中国製の太陽電池や太陽光パネルを対象として定めている価格取り決め協定から自発的に脱退し、EUが同社の決定を受け入れたと、発表した。

 同社は協定脱退の理由として、EU域内の顧客が中国製の太陽光パネルに対する最低輸入価格(MIP)に反対したこと、MIPが太陽光パネルの価格下落トレンドに沿うように調整されなかったことを挙げている。

 同社は2016年8月1日にEUに対して協定脱退の意向を伝えていた。EUは10月11日に同社の決定を受け入れ、その旨を同社と政府系機関である中国機電産品進出口商会(CCCME)に伝えたとしている。

 無錫サンテックパワー社のHe Shuangquan執行社長は、「常にMIP協定を順守してきた。この協定が2015年12月に失効することを望んでいたが、そうはならなかった。そこで、事業戦略に沿わないこの協定からの脱退を決めた」と述べている。

 欧州の太陽光パネルに関する価格取り決め協定に関しては、昨年12月にトリナソーラー、今年9月にジンコソーラーとJAソーラーが既に脱退している(関連記事1関連記事2)。

 無錫サンテックパワーの脱退により、中国の太陽光パネル大手4社が同協定から脱退したことになり、MIP協定の形骸化が決定的になったと言える。

 太陽光発電に関する業界団体であるSolarPower Europeも12日、欧州の400社以上が欧州委員会(EC)の通商担当であるセシリア・マルムストロム委員に対してMIP協定の廃止を訴える書簡を送付したことを発表している。

 中国の太陽光パネル大手のMIP協定からの相次ぐ脱退と、地元の業界団体からの要請に対して、今後、ECがどのように対応するのかが注目される。