南アフリカ共和国のジョージ(George)空港は10月9日、同空港が太陽光で全電力を賄う、アフリカ大陸で初めての飛行場になったと発表した。

 ジョージ空港は同国の南部、ケープタウンからは東へ約400kmの位置にある。

 太陽光パネル約2000枚を滑走路横の地上に設置した。連系出力は750kWで、同空港が施設の運用で消費する最大電力は約400kWであるため、余剰分は系統を通じて周辺の住宅など250軒以上に供給している。

 今回のプロジェクトの事業者であるAirports Company South Africaによると、ジョージの気候と約70万人と比較的小規模な年間乗降客数という要因を考慮し、太陽光の電力だけで運用するという実証プロジェクトの対象にジョージ空港を選んだという。

 同空港でのプロジェクトが成功すれば、キンバリー(Kimberley)やアピントン(Upington)など同国内の他の空港でも太陽光発電を導入しクリーンな電力を使いたいとしている。

 昨年から太陽光発電システムの運用を試験的に開始して以来、同空港は約1300tの温室効果ガスを削減した。これは燃料換算では、10万3934lに相当するという。

 同プロジェクトでは、次の段階として、太陽光パネルの増設(約250kW)や定置型蓄電池の設置を検討している。特に蓄電池を設置すれば、現在は系統からの供給に頼っている夜間や悪天候時の電力需要を、晴天時に貯めた余剰電力で賄うことが可能になる。

 Airports社は、2030年までにカーボンニュートラル(炭素中立)、つまり温室効果ガスの排出量をゼロにする、という目標を掲げている。

 太陽光発電だけで全電力を賄うと発表した空港としては、インド・ケーララ州のコーチン国際空港(Cochin International Airport)の例がある。同空港は、2015年8月に出力12MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を稼働させ、達成した。
 
 今回、南アフリカのジョージ空港がコーチンに次いで、世界で2番目の「ソーラー空港」となった。