医療法人社団KNIは、ベトナムのベトドク第1病院およびベトドク第2病院、およびラオス国立病院ミタパブ病院に対して、リハビリテーション・脳神経外科・一般医療についての支援と技術指導や、リハビリテーションについての運営・教育システムの構築と提供を行い、医療サービスとスキルの向上を図る。両病院をアジアのリハビリテーション・自立支援介護サービスに携わる人材の研修、教育拠点とすることを目指す。協力会社であるKitahara Medical Strategies International(KMSI)と連携するとともに、医療国際展開タスクフォースおよび東アジア・ASEAN 経済研究センター(ERIA)などの協力を得ながら進める。

 これは、KNIが2017年6月に締結した「リハビリテーション・脳神経外科の技術協力、リハビリテーションの運営・教育システムの構築と提供に関する技術協力」の合意期間延長と合意書の細則追加について、ベトドク第1病院およびベトドク第2病院と合意書を締結したもの。さらに、ラオス国立病院ミタパブ病院のサノン・トンサナ院長と脳神経外科、リハビリテーションの技術協力について合意した。

日本首相官邸で実施された文書交換式の様子
日本首相官邸で実施された文書交換式の様子
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 ともに2018年10月7日に調印式を、同年10月8日には日本首相官邸で安倍晋三内閣総理大臣、ベトナムのグエン・スアン・フック首相、ラオスのトンルン・シースリット首相立会いのもと、文書交換式を実施した。

 ベトドク第1病院は、首都ハノイ中心部に位置する外科を中心とした1500床の国立病院。2018年10月20日に、1000床のベトドク第2病院をオープンする予定だ。ミタパブ病院は、首都ビエンチャンに位置する病床数300床のラオス最大の外科系病院となる。

 ベトドク第1病院、第2病院との合意では、リハビリテーション事業連携契約、日本のIT・AI・ロボット技術や医療・介護機器技術の導入、アジアにおける先進リハビリテーションの拠点となるアジアリハビリテーションセンター(約150床)設立についても含まれている。KNIとKMSIは、医療にかかわるすべてのノウハウを提供し、アジアの医療発展に貢献することを目指す。

 ミタパブ病院との合意では、脳卒中に対する救命救急医療を提供する脳卒中センター設立を検討する内容も含まれている。KNIは、日本政府支援の可能性(PPPやODA)も視野に入れ、日本政府やラオス政府と協議していく。