同事業のイメージ図
同事業のイメージ図
(出所:NEDO)
[画像のクリックで拡大表示]
太陽光パネル
太陽光パネル
(出所:NEDO)
[画像のクリックで拡大表示]
Liイオン電池
Liイオン電池
(出所:NEDO)
[画像のクリックで拡大表示]
EMS屋外局
EMS屋外局
(出所:NEDO)
[画像のクリックで拡大表示]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10月6日、2013年度からインド各地で取り組んできた「携帯電話基地局エネルギーマネジメント実証事業」において、当初の目標であった省エネ率50%超を大幅に上回る成果を達成したと発表した。

 インドなど新興国では、通信手段に携帯電話が広く普及し、携帯電話の基地局数が増えている。基地局は常時、稼働する必要があるものの、インドでは系統電源の停電が頻発することから、多くの基地局に非常用電源としてディーゼル発電機と鉛蓄電池を設置している。

 NEDOとNEC、ピクセラの3者は、2013年度から3年間、インド各地の計62カ所の基地局にエネルギー管理システム(EMS)技術を導入する実証事業を実施した。20カ所に太陽光パネルを含むEMSを導入し、48カ所の基地局シェルター屋根および外壁に高日射反射率の光触媒塗装を施した(一部重複する基地局あり)。

 具体的には、基地局の電力供給のための太陽光パネルと、鉛蓄電池より充放電効率の高いLiイオン電池を導入し、システム全体の遠隔監視、運転計画、充放電を制御するEMSを組み合わせた統合システムを構築した。これにより、無停電から1日数時間程度停電する実証局20局の平均で83%のディーゼル燃料の消費量を削減した。

 また、光触媒塗装により日中の基地局内の温度上昇を抑えてエアコン使用量を削減し、平均4.3kWh/日の消費電力量を削減した。ディーゼル燃料の使用量削減に伴いCO2を60%削減、光触媒塗装による消費電力量の削減に伴いCO2を4kg/日削減した。

 これらの成果を基に、4年間に3万基地局にEMSが普及した場合、5年間で年平均約50億円のTotal Cost of Ownership(TCO)削減効果があると算出し、ビジネスモデルとして成り立つ可能性があることを確認した。今後、同事業の実証技術をインドの技術展示会に出展。成果報告会での発信を通じてインド国内への普及に向けて活動するとしている。