負債総額52億円のZEN POWER

 PVG Solutions(横浜市、2007年設立)は、2011年にベンチャーキャピタルなどからの出資金や金融機関からの借り入れを基に約20億円を投じて愛媛県西条市に工場を建設し、セル(発電素子)など太陽電池関連製品の製造に本格参入した。しかし、安価な海外製品の流入や買取価格の低下、工場建設による借り入れ負担などで資金繰りが悪化し、2月に横浜地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約22億円。

 ZEN POWER(福岡市、2005年設立)は、福岡県久山町に工場を開設して太陽光パネルを国内外に販売し、2014年12月期には売上高約74億円を計上した。しかし、大口取引先だったドイツ企業に不良債権が発生し、急激に資金繰りが悪化。さらに、欧州でのパネル価格の下落、国内での買取価格の引き下げなどで受注が大幅に落ち込み、4月に福岡地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約52億円。

 りょうしん電気(大阪市、2009年設立)は、太陽光発電システムの販売施工や大阪府内の電器店などを対象に勉強会を通じたコンサルタント業務、アフターフォローのメンテナンス事業部を立ち上げるともに、和歌山県でメガソーラー事業を開始。2015年9月期には売上高44億5932万円を計上した。しかし、2016年9月期の売上高は29億5660万円に落ち込み、関連会社への出資金や貸付金の処理などで赤字を計上。自社保有のメガソーラーや関連会社の売却を進めたが、5月に大阪地裁に破産申請した。負債総額は約4億7700万円。

 ISHIO(和歌山市、2013年設立)は、住宅の新築工事やリフォーム、太陽光発電装置の設置工事などを手掛けていた。設立が浅く財務内容や資産背景が脆弱だったところに、リフォーム工事の案件で回収不能が生じ、資金繰りが逼迫。6月に和歌山地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約6000万円。

 にしもと(大分県臼杵市、1990年設立)は、塗装工事などを建設工事業者から受注し、年商約4000万円を維持していたが、利益率は低調で脆弱な財務内容が続いていた。2015年6月期から太陽光発電設備の設置工事にも本格参入し、売上高1億5354万円に急伸したが、不慣れな面もあり赤字から脱却できず、すぐに同事業から撤退。2016年6月期の売上高は3764万円に急減し赤字幅が拡大、9月に大分地裁へ破産申請した。負債総額は4044万円。