ソフトバンクグループで再生可能エネルギー事業などを手掛けるSBエナジー(東京都港区)とモンゴルのNewcom社との合弁会社であるClean Energy Asia社は10月6日、同国ゴビ砂漠で出力50MWの風力発電プロジェクト「Tsetsii Wind Farm(ツェツィーウィンドファーム)」の営業運転を開始した、と発表した。
定格出力2MWの風力発電設備を25基建設した。初年度の年間予想発電量は約2億kWhとなる見通し。発電した電力はモンゴル国内向け送電網に接続し、モンゴルでの国内消費を目的に供給する。
モンゴルでは国全体で1130MWの発電設備が設置され、電源構成は石炭火力が88%、ディーゼルが6%、再生可能エネルギーが8%。再エネの割合が低いのが課題で、2015年に国会で承認されたエネルギーセクターの中長期目標・計画(2015-2030年)では、総発電量に占める再エネの割合を2020年までに20%、2030年までに30%まで引き上げる目標を掲げた。
また、同国政府は、二国間クレジット制度(JCM)について日本と最初に覚書を締結している。Tsetsii Wind Farmについても、事業性を調査する段階で、経済産業省のサポートのもとでJCM適用可能性調査を実施している。
ソフトバンクグループは、アジアの再エネを開発し、国境を越えて融通する「アジア・スーパー・グリッド構想」を推進している。モンゴルでの再エネ開発は、同構想にも位置付けられており、今回のプロジェクトは同社グループにとって初の発電事業となる。
ファイナンシャルパートナーは欧州復興開発銀行(EBRD)とJICA。JICAによる再エネ事業では、初の海外投融資によるドル建てプロジェクトファイナンス案件となる。