日立製作所は、重要施設などに上空から接近する不審なドローンを発見して追尾する、ドローン検知システムを開発し、2017年12月から提供を始める(ニュースリリース)。目視と比べて広範なエリアを監視・警備することが可能となり、不審なドローンに対して迅速な対応ができるようになるとする。

今回のシステムの概要。日立のイメージ。
今回のシステムの概要。日立のイメージ。

 同社によれば、ドローンは測量、輸送、災害時の状況把握など、さまざまな分野での利用が進む一方で、重要施設への不法侵入など、ドローンを悪用した犯罪も発生しており、不審なドローンに対する効果的な警備手法の確立が求められている。今回、その手法の1つとして、日立はレーダーとカメラを使ったドローン検知システムを開発し、製品化した。同社は今回のシステムを、2017年10月11日~13日に東京ビッグサイトで開催される「テロ対策特殊装備展 '17」、および同社が2017年11月1日~2日に東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」において、展示する。

 同社によれば、不審なドローンの検知手法としては、マイクロフォンによりドローンの飛行音を検知するもの、ドローンと操縦者間の通信電波を検知するものなどがある。前者は周囲の雑音の影響を受けてしまうこと、後者は他の電子機器が発する電波の影響を受けてしまうことが弱点となっている。一方、今回のシステムではレーダーを用いて不審なドローンを検知するため、大きな音が発生するイベント会場や他の電子機器の電波が飛び交う場所でも使える。また、レーダーの検知情報をもとにカメラを駆動して検知したドローンを追尾するため、ドローンの状況を映像でリアルタイムに確認し、対策を検討することができるとする。