国際エネルギー機関(IEA)は10月4日、2016年に太陽光発電の設備容量が世界全体で50%増加し、その成長率が石炭を含む他のすべての燃料による発電設備容量を初めて上回ったと発表した。

 IEAが刊行した調査レポート「Renewables 2017」によるもので、特に中国が太陽光発電の市場拡大の半分近くを占めているという。

 太陽光の力強い市場成長がけん引する形で、再生可能エネルギーが世界全体で2016年に導入された電力の設備容量の約67%となる165GW近くを占めた。再エネは今後も成長を続け、2022年までに導入される再エネ発電設備の容量は43%増加するとIEAは見込む。

 IEAのファティ・ビロル事務局長は、「再生可能エネルギーは、2022年までに約1000GW成長すると見ている。これは、建設に80年かかった石炭火力発電の世界全体における現在の設備容量のほぼ半分に相当する。太陽光の設備容量は、あらゆる再エネ技術の中で最も高い成長率を2022年まで維持すると見ている」と述べている。

 再エネの今年の見通しは昨年より12%多く、その大半は中国とインドの上方修正による。2022年まで世界全体で拡大が続く再エネのうち、中国、インド、米国の3か国で3分の2を占めると見られる。その時点で、太陽光の総容量は、現在のインドと日本の設備容量の合計を上回っているだろうと予測している。

 発電量については、再エネの電気は2022年までに33%以上成長し、8000TWhを上回るという。8000TWhという数字は、中国、インド、ドイツの電力消費量の合計に相当する。

 その時点で、再エネの発電量に占める割合は2016年の24%から30%まで増加している。再エネ発電量の成長率は、天然ガスと石炭を合わせた数字の2倍と見込む。2022年までは石炭が引き続き発電燃料としての首位の座を維持するが、再エネがわずか5年でその差を半分にまで詰めるとしている。