欧州の主要な仮想発電所(VPP)事業者であるEnergy2market(e2m)社は10月2日、英国市場に参入し、VPPサービスの提供を開始すると発表した。

 2009年以降、e2m社は順調にVPP事業の開発や成長に取り組んでいるという。同社は現在、拠点とするドイツに加えて、ポーランド、オーストリア、イタリア、フィンランドで合計3500カ所以上の分散電源や発電施設、設備容量で3400MW(3.4GW)以上と接続している(関連記事1)(関連記事2)。

 電源の種別では風力や太陽光を中心に、熱電併給(コージェネレ―ション)の発電設備や水力発電所、コンバインドサイクル・ガスタービンなども含まれる。

 e2m社で国際市場を担当するSevastos Kavanozisマネージング・ディレクターは、「英国での市場参入は、極めて妥当な一歩だ。英国は、ドイツと同様の課題に直面している。大量の分散電源、特に断続的な再生可能エネルギーが、価格変動の激しい市場を作り出しているからだ。需給の予測やバランシングといったスキルを持つ熟練した市場参加者は、顧客に真の価値を提供できる」と、英国での市場参入を決めた理由を述べている。

 英TrailStone社がパートナーおよび株主として、e2m社の英市場への参入を支援するという。

 同社はバーミンガム(Birmingham)で10月3日から5日まで開催される国際会議イベント「Solar & Storage」に出展し、製品やサービス、ドイツでのプロジェクト実績、英国での計画などについて説明するとしている。