図 新日鉄住金ソリューションズAI研究開発センター長の馬場俊光氏
図 新日鉄住金ソリューションズAI研究開発センター長の馬場俊光氏
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 新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL、本社東京)は2017年10月3日、「AI研究開発センター」を設置すると発表した(図、ニュースリリース)。同社の研究拠点「システム研究開発センター」(横浜・みなとみらい)内に置く。顧客先の具体的なIT導入案件にAIを適用する一方、「AI(人工知能)をこう使えば課題解決に役立つ、という知見を早く見つけたい」としている。

 AIに関わるアルゴリズムとハードウエアの急速な発展により、さまざまな分野でAIの可能性が見えてきている一方で「AIを利用しようとして四苦八苦している企業も多いと聞く」(同社)。新しく設立したAI研究センターでは、NSSOLの顧客企業での具体的な課題解決に機械学習などのAIを利用するとともに、どのようなデータが必要か、そのデータをどう処理すればうまくいくかをコンサルティングする。「現在話題になっているAIの案件は、大量のデータが存在して初めて可能になるものが多いように思う。そこで、少ないデータでも機械学習がうまくいく方法などの知見も蓄積したい」という。

 1980年代の第2次AIブームの際、新日鉄住金の前身の1つである新日本製鉄は、高炉の運転を支援するエキスパートシステムにニューラルネットワークを応用していた。「形式知として記述できる高度な理論に対してはルールベースのシステムを適用する一方、熟練者がひらめきで判断していることに対してはニューラルネットワークを適用して相互に組み合わせるという、今日でも通用するアーキテクチャー」(NSSOL)だった。