「レベル3」に対応した自動運転の実験車
図1 「レベル3」に対応した自動運転の実験車
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車両前部に取り付けたセンサー
図2 車両前部に取り付けたセンサー
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 ドイツBosch社は2016年9月28日、米SAE(自動車技術会)が定義する「レベル3」の自動運転に対応した実験車両を公開した(図1)。日本法人のボッシュが同日に北海道で開催した試乗会で、この実験車両を用いたデモンストレーションを行った。

 Bosch社が公開した実験車両は、ホンダの中型セダン「レジェンド」のハイブリッド車(HEV)をベースに開発した。レベル3の自動運転とは、操舵や加減速などの操作をシステムが行うが、緊急時などに運転者が操作に介入するもの。操作の主体はシステムにあり、緊急時などでは主体が運転者に移る。

 レベル3の自動運転を実現するため、車両の周囲を監視するセンサーとしては長距離ミリ波レーダー、中距離ミリ波レーダー、ステレオカメラ、LiDAR(レーザーレーダー)を搭載した(図2)。車両の位置を把握するために、GPS(全地球測位システム)受信機もトランクリッド(荷室ドア)に取り付けた。

 長距離ミリ波レーダーはフロントグリルとリアバンパーの中央に合計2個、中距離ミリ波レーダーはフロントバンパーとリアバンパーの左右に合計4個取り付けた。LiDARはこれら6個のレーダーの隣に合計6個、ステレオカメラはフロントウインドーの室内側に取り付けた。レーダーとLiDARでクルマの周辺を、ステレオカメラで白線を検知する。