英ARM社は、データセンターのサーバーやストレージ、HPC(High Performance Computing)、ネットワークインフラ機器などで使うSoC/ICに向けた、オンチップインターコネクトIPコアとメモリーコントローラーIPコアの新製品を発表した(ニュースリリース)。前者の製品名は「ARM CoreLink CMN-600 Coherent Mesh Network」、後者は「ARM CoreLink DMC-620 Dynamic Memory Controller」である。

CMN-600を利用例 ARMの図。
CMN-600を利用例 ARMの図。
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 オンチップインターコネクトIPのCMN-600は、「AMBA 5 CHI」(日経テクノロジーオンライン関連記事1)インターフェースを備える、「ARMv8-A」(同関連記事2)アーキテクチャーのCPUコアをベースにしたSoC/ICを対象にする。CMN-600は、CoreLink CCI(Cache Coherent Interconnect)、CoreLink CCN(Cache Coherent Network)に続く、ARMにとってのキャッシュコヒーレンシーを担保した第3世代の「CoreLink」インターコネクトIPコアになる。前世代のインターコネクトIPコアに比べてスループットは5倍、レイテンシーは半分になるという。1Tバイト/秒以上の伝送速度を提供可能だとする。

 最大で32個のCPUコアクラスター向けのコヒーレントポートを持ち、最大で128個のARMv8-AアーキテクチャーのCPUコアを接続するメッシュネットワークを構成できる。"アジャイル"(インテリジェントな割り付けが可能)な共有キャッシュメモリーを0~128Mバイト持つことが可能で、レイテンシーの削減に効くとする。最小構成の場合のチップ面積は1mm2だという。ARMのツール(ソフトウエア)の「ARM CoreLink Creator」や「ARM Socrates DE」(同関連記事3)を使うことで、CMN-600の構成を設定/最適化したり、メッシュネットワークのRTL(Register Transfer Level)の設計データを自動生成したりできる。