日本の気候に合わせフロート架台を改良

 パネルの設置作業は、まず陸上でフロート架台にパネルを装着して、14枚を連結したアレイ(パネルの設置単位)ごとに、船で曳航して、水上のソーラーアイランド(水上に浮かんだ太陽光パネル)まで運搬し、次々に結合させていく。

 水上メガソーラーの課題の1つは、ケーブルが長くなることという。そこで、今回は、湖畔に設置するPCSと昇圧器のサブステーションを3カ所に分け、ソーラーアイランドを3エリアに分けて最も近いサブステーションに繋げることで、ケーブル長を抑制した。

 また、フランスのシエル・テール製のフロート架台は、日本の気候に合わせ、施工面も含めて改良が進んでいるという。夏季の高温でフロート内の空気が膨張した場合、空気を逃がして減圧する機能のある蓋や、万が一フロートが歪んでもパネルが外れないよう装着方法を工夫しているという。また、最大風速41.5m/秒にも耐えられるよう係留ワイヤーの強度を十分に確保しているという。

 年間予想発電量は約1617万kWhを見込んでいる。買取価格は32円/kWhで、東京電力エナジーパートナーに売電する。京セラTCLソーラーは、水上メガソーラーに関し、兵庫県内に3カ所、三重県に1カ所の合計4カ所を運営し、山倉ダムの発電所が5カ所目となる。このほか10カ所程度の開発を進めているという。