インド・カルナタカ州ベンガルールの新工場
インド・カルナタカ州ベンガルールの新工場
屋根上に太陽光パネルを設置した(出所:TMEIC)
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PCSとUPS、モータードライブ装置を生産する
PCSとUPS、モータードライブ装置を生産する
(出所:日経BP)
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 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、インド・カルナタカ州ベンガルールにパワーエレクロニクス関連製品の新工場を建設し、9月25日に落成式を開催した。メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けのパワーコンディショナー(PCS)のほか、無停電電源装置(UPS)、高圧モータードライブ装置を主力製品として生産する。

 新工場は、ベンガルール近郊のトムクール地区にある工業団地に建設した。約 1万2000m2の延床面積を有する工場建屋を新設し、10 月から全面稼働する。TMEICの太陽光向けPCSの工場としては、最大クラスの生産拠点となる。

 TMEICグループでは、現地法人である TMEIC Industrial Systems India Private Limited がインドでの事業を運営している。太陽光向けPCSについては、2014年4月にオランダ・AEG Power Solutions社のインド法人を買収し、AEG社の工場設備を活用し、太陽光向けPCSを生産してきた。また、モーターについては、2016年2月にベンガルールのトムクール地区に工場を建設し、すでに稼働している。

 旧AEG社の工場で生産し、インド国内向けに販売するPCSの出荷が好調に推移している。そこで、今回、モーター工場の隣接地を借り増して新工場を建設し、PCSの生産を旧工場から移管・増産するとともに、UPSとモータードライブ装置の現地生産も開始する。

 新工場で生産する太陽光向けPCSは、定格出力1MW機と2.55MW機となる。TMEICは従来、インド向けに1MW機を主力としてきたが、新工場の稼働を機に2.55MW機の現地生産に乗り出す。同機種は直流1500V対応の最新機種で、日本国内でも今春に投入したばかりだ。

 TMEICは、2016年度にインド国内向けに約1.15GW分の太陽光向けPCSを出荷しており、パワーエレクトロニクス製品全体での同年度売上高は、約28億インドルピー(約45億円)となった。同社では、今後3年でインド国内での売上高を2倍以上に伸ばし、2020年度には約220億円に拡大させる目標を掲げている。

 新設したパワーエレクトロニクス工場と隣接するモーター工場では、既に合わせて約 330人が働いている。今後 2 年間で約 500人に雇用を増大する。

 25日に開かれた落成式では、平松賢司・駐インド大使、カルナタカ州政府関係者のほか、工場の従業員、パワーエレクトロニクス製品の納入先など、約500人が参加した。

 新工場建屋の屋根上には、出力930kWの太陽光パネルを設置し、自家消費するとともに余剰分を電力系統に供給している。来春には蓄電池システムとそれを制御する「TMBCS(TMEIC蓄電池コントロールシステム)」を導入し、太陽光と蓄電池を統合制御する「エネルギー循環型工場」の実証モデルとして運用していく計画だ。