米Facebook社CEOのMark Zuckerberg氏と夫人のPriscilla Chan氏は、慈善事業のために立ち上げたChan Zuckerberg Initiativeを通じ、今後10年間で30億米ドル(約3000億円)を医学研究に投資すると発表した。同氏らのFacebookページ上で「我々が力を合わせれば、今世紀中にすべての疾患を克服できる」と、プロジェクトへの参加を呼びかけている。

 Zuckerberg氏らは、20世紀以降の医学の進歩により、人間の平均寿命は毎年1/4年ずつ伸びており、21世紀末には100歳に達する見通しであることに言及。主な死亡要因はいわゆる4大疾患に限られてきたとし、適切な技術によってそれらの克服を目指せるとのコメントを発信している。

 科学上のブレークスルーの多くが、望遠鏡や顕微鏡、DNAシーケンサーといった、対象への新たな視点を提供するツールによって成し遂げられてきたとし、4大疾患の克服においてもそうした新しいツールの貢献が期待されるとする。今回のプロジェクトでは「我々の子供達の世代のうちに、あらゆる疾患を治療・予防・管理できるようにする」(Zuckerberg氏)ことを目指し、そのためのツールや技術の確立に向けた科学者や技術者の取り組みを支援していく。

 まずは6億米ドルを投じ、「Biohub」と呼ぶ研究拠点を設立。米Stanford Universityなどから研究者を集め、新しい医学ツールの開発を支援する。