JXエンジニアリングの倉田社長(右)とファースト・ソーラー・ジャパンの笠松日本事業責任者による調印式の様子
JXエンジニアリングの倉田社長(右)とファースト・ソーラー・ジャパンの笠松日本事業責任者による調印式の様子
(出所:JXエンジニアリング)
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 米ファースト・ソーラーは、石川県宝達志水町などに約60MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。同社の日本法人であるファースト・ソーラー・ジャパン(東京都千代田区)が主導し、2016年中に着工し、2018年下期に完成する予定。

 8月26日にJXエンジニアリング(横浜市)と、EPC(設計・調達・施工)サービスに関する契約を締結した。発電所名は「石川沢川太陽光発電所」。石川県と富山県にまたがるゴルフ場跡地を活用する。富山県側の所在地は高岡市になる。連系出力は59.5 MWとなり、完成後は北陸地域で最大級のメガソーラーとなる。

 年間の発電量は7880万kWh(78.8GWh)となり、これは一般家庭約1万7500世帯分の年間電力消費量に相当する。北陸電力に売電する予定。

 ファースト・ソーラーは、同社製のCdTe(カドテル)型化合物系太陽光パネルを供給するとともに、完成後はO&M(運営・保守)も担当する。同社は、今年中に「ファースト・ソーラー・オペレーションセンター」を東京に開設し、日本で提供するO&Mサービスを強化することにしている。

 JXエンジニアリングは、今回のプロジェクトを完全一括請負型で工事を受注した。同社によるメガソーラー案件の単独受注額としては、最大になるという。1500V系のパワーコンディショナー(PCS)を採用するなど、新技術を積極的に採用し、効率化と工事費の削減を目指すとともに、自然災害に十分に配慮した設計を進めるという。

 1500V対応のPCSの導入を表明したのは、Looop(東京都文京区)が茨城県に建設する自社の太陽光発電所の例があるが、特別高圧送電線に連系する大規模案件では、今回のプロジェクトが国内で初めてになるとみられる。

 ファースト・ソーラーは、太陽光パネルメーカー大手であるとともに、メガソーラーの開発事業者としても、世界でトップクラスの実績を持つ。現在、北陸、関東、東北地方に8サイトで合計約10MWの太陽光発電所を稼働済みで、その他にも、「石川沢川太陽光発電所」を含めて6つのプロジェクトを進めている。