北側エントランスに最も近い「ホール2」。中に入ると、「DMG MORI」の大きな文字がホール壁面をぐるりと一周囲んでいる(図1)──。欧州の工作機械見本市「EMO2017(通称EMOショー)」(2017年9月18~23日、会場はHanover Fairground)が、ドイツ・ハノーバーでスタートした。集客上最も良い場所の1つであるホールを丸ごと展示に使ったDMG森精機は、今回のEMOショーの「主役」と言えるだろう。
経営統合前のドイツ側企業であるGildemeister社(DMG)の地元開催だからという理由だけではない。工作機械の「フルラインアップ」メーカーとして幅広い工作機械を扱い、かつ技術力の高さをアピールする展示を積極的に行っているからだ。同社は75台の工作機械を会場に持ち込み、自動車分野や医療分野、航空機分野、自動化分野など、分野ごとに展示エリアを区切って配置している(図2)。
例えば、自動車エリアでは、自動車部品の加工の自動化に貢献する工作機械システムを展示した。パレットマガジン「RS7」を搭載した4軸制御タイプの横型マシニングセンター(MC)である(図3)。最大で7枚あるパレット上にワークを載せて円形に配置しておき、加工の順番が来ると加工エリアにワークを自動的に供給して連続加工を可能にする。これにより、エンジンの部品などの加工の自動化を実現する(図4)。同じ種類のワークの大量生産にも、異なる種類のワークの多品種少量生産にも対応する。