丸紅の開発した大分県内のメガソーラー
丸紅の開発した大分県内のメガソーラー
(出所;丸紅)
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 丸紅は9月18日、石炭火力の新規開発から手を引き、現在、保有している設備容量を2030年までに半減させる一方、再生可能エネルギー発電の比率を現在の約10%から2023年までに約20%まで増やすと、発表した。

 同社のサステナビリティ経営推進の一環。電力事業のグローバルプレーヤーとして温室効果ガス排出量を低減し、世界の気候変動対策に貢献するとしている。

 同社は、2018年度末の見通しで石炭火力を約3GWを保有している。これを2030年までに半減させる。原則的に新規案件を開発しないが、超々臨界圧発電といったBAT(Best Available Technology)を採用し、かつ日本国政府および案件実施国の国家政策に合致する案件は例外的に検討する場合もあるとしている。その際も低炭素社会の実現、効率的な電力システムの構築、エネルギー源の多様化などに向けた提案を行う。

 一方、再生可能エネルギー発電の比率は、現在の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指す。また、全契約電力量約3GWのうち、再エネ電源比率が約80%を占める英国連結子会社SmartestEnergyをはじめとする電力卸売り・小売業における再エネ電源の取り扱いを拡充する。

 こうした方針の達成に向けて、ステークホルダーとの適切な連携・協働に努め、目標に対する進捗状況を積極的に開示していく。また、外部環境の変化を踏まえ、OECD公的輸出信用アレンジメントなどの各種国際ガイドラインを参考に、石炭火力および再エネ発電事業をめぐる各国政策や国際状況を十分に認識した上で、気候変動対策の観点から適宜方針も見直していくという。

 丸紅は2018年4月、社長直轄のサステナビリティ推進委員会を発足させた。外部の意見も取り入れながら、マテリアリティの特定と定期的な見直しなど、ESG(環境・社会・ガバナンス)に対する基本的な方針や施策について討議している。その内容を踏まえた方針・施策は、ESG関連情報を一元集約化した段階で報告する予定。