アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイのドバイ電力・水庁(DEWA)は9月16日、出力700MWの集光型太陽熱発電所(CSP)プロジェクト「Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Park」の第4フェーズを発注したと発表した。

 独立系発電事業者(IPP)が手がける単一サイトのCSPプロジェクトとしては、世界最大という。

 契約を受注したのは、サウジアラビアのACWAパワー社と中国の上海電気(Shanghai Electric)社からなるコンソーシアムで、受注金額は142億ディルハム(約4320億円)。同コンソーシアムは、7.3セント/kWhとこれまでで最も低いLCOE(均等化発電原価)で今回のCSPプロジェクトに応札していた。

 同プロジェクトでは、260mで世界最高となる「ソーラータワー」が建設される計画である。電力購入契約(PPA)と資金調達などの契約の締結は、間もなく完了するとしている。発電所の稼働は、2020年第4四半期からいくつかの段階に分けて進められる見込み。

 DEWAのMohammed Al Tayer マネージング・ディレクター兼CEOは、「今回の戦略的プロジェクトは、ドバイをクリーンエネルギーとグリーン経済の世界的な中心地にするというビジョンを実現する支えとなるだろう」と述べている。

 ドバイは、全エネルギーに占めるクリーンエネルギーの比率を2020年までに7%、2030年までに25%、2050年までに75%にするという『ドバイ・クリーンエネルギー戦略2050』を策定している(関連記事1)。

 Mohammed bin Rashid Al Maktoum Solar Parkは、2020年までに1000MW、2030年までに5000MWを発電する計画である。

 第1フェーズである13MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)は2013年に稼働を開始した。第2フェーズとなる200MWのメガソーラーは、2017年3月にプロジェクトが開始された。第3フェーズの800MWのメガソーラーは、2020年までの稼働を見込む(関連記事2)。第4フェーズとなる今回の700MWのCSPは、2020年第4四半期に第1段階の稼働を予定している。