町営女川住宅の外観
町営女川住宅の外観
(出所:長瀬産業)
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屋内に設置されたPCS(上)と蓄電池(下)
屋内に設置されたPCS(上)と蓄電池(下)
(出所:長瀬産業)
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 長瀬産業は9月14日、村田製作所と戸田建設と共同で、宮城県女川町の集合住宅「町営女川住宅」に、太陽光発電と蓄電池システムを備えたHEMS(住宅エネルギー管理システム)を導入したと発表した。

 HEMSに対応したハイブリッド蓄電池システムである「エネイース」を複数台組み合わせることで産業施設向けにシステム構成し、集合住宅での発電・蓄電・節電を可能にしたとしている。
 
 「エネイース」は、長瀬産業と村田製作所が共同開発した。太陽光発電とLiイオン蓄電池による家庭用のコンパクトなHEMSセット。太陽光と蓄電池制御を一体化したことで、太陽光で発電した直流をそのまま蓄電して変換ロスを抑えたのが特徴。

 宮城県女川町では現在、東日本大震災の津波による被害対策として、住宅の高台移転を進めている。町営女川住宅は、戸田建設が設計施工した災害復興住宅で、今回、災害に強く環境に配慮した住宅づくりの一環として「エネイース」を採用した。

 今回、エネイースを複数台組み合わせて集合住宅の共用部分に電力を供給する。太陽光パネルのメーカーはカナディアン・ソーラー・ジャパン製で、出力は合計24kW(1号棟が10kW、2号棟が14kW)。蓄電池は合計11.6kWh(各棟2.9kWh×2基)。パワーコンディショナー(PCS)は村田製作所製。売電と自家消費の両方の運用が可能。

 長瀬産業では今後、事務所や倉庫、学校、病院などの産業用設備に向けて、より幅広い用途での導入を進めていく。