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HOMEエネルギーメガソーラー > 「洗濯できる」太陽電池、衣類に貼り付けて利用、理研など開発

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「洗濯できる」太陽電池、衣類に貼り付けて利用、理研など開発

  • 工藤宗介=技術ライター
  • 2017/09/19 11:42
  • 1/1ページ
衣服に貼り付けて洗濯した超薄型有機太陽電池
(出所:理研)
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超薄型有機太陽電池の洗濯試験。染みを付着させると性能が大きく低下したが、洗濯することで染みをつける前の状態まで回復した
(出所:理研)
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ゴムサンドイッチ構造の有機太陽電池封止技術の模式図
(出所:理研)
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 理化学研究所(理研)、科学技術振興機構(JST)、東京大学らの共同研究グループは9月19日、衣類に貼り付けて洗濯も可能な伸縮性と耐水性を備えた超薄型有機太陽電池を開発したと発表した。ウエアラブルデバイスやe-テキスタイルに向けた長期安定電源としての応用が期待される。

 血圧や体温などの生体情報の継続的なモニタリングを行う生体継続モニタリング向けのウエアラブルセンサーの開発では、衣服に貼り付け可能な電源が重要となる。有機太陽電池は、mWオーダーの高い電力を供給でき、かつ柔軟性に優れていることから有力候補として注目されている。

 その一方で、十分なエネルギー変換効率と伸縮性に加えて耐水性という3つの要素を同時に実現する必要があり、これまでその実現が課題とされてきた。特に非常に薄いフィルムを利用した場合、フィルム表面の平坦性を確保するのが難しく、ガスバリア性が著しく低下することから、高い性能を長期間維持して安定動作させることが困難だった。

 研究グループは今回、理研が2012年に開発した半導体ポリマー「PNTz4T」を用いて、耐環境安定性に優れる逆型構造の有機太陽電池を、厚さ1μmの高分子材料であるパリレン基板上に作製した。ガラス支持基板から剥離した状態で、擬似太陽光(出力100mW/cm2)照射時における短絡電流密度(JSC)が16.2mA/cm2、解放電圧(VOC)が0.71V、フィルファクターが69%の性能で、エネルギー変換効率は7.9%を達成した。

 また、5分間水中に浸した後でもエネルギー変換効率の低下は見られなかった。さらに、黒水性ペンでデバイス表面に染みを付けた際も、デバイスを洗浄液中に浸漬・撹拌して汚れを取り除くことで、素子性能が低下することなくエネルギー変換効率を初期値に戻すことができた。

 さらに、あらかじめ引張させた2枚のゴムで厚さ3μmの超薄型有機太陽電池を双方向から挟むことで、伸縮性と耐水性を両立させた封止技術を開発した。ゴム封止していないデバイスでは120分間の水中浸漬によりエネルギー変換効率が初期値から約20%低下したのに対し、ゴム封止を行ったデバイスでは同5%の低下に留まった。また、水滴を乗せた状態で約50%の伸縮を繰り返しても、エネルギー変換効率は初期値の80%を維持した。

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