ルネサス システムデザインは、ルネサス エレクトロニクスの車載アナログICを世界3カ所で分散設計する体制に関して講演した。この講演は、ジーダットのプライベートイベント「JEDAT Solution Seminar 2016」(2016年9月7日に東京で開催)で行われた。

講演する田中延枝氏 日経エレクトロニクスが撮影。
講演する田中延枝氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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図1●従来の分散設計体制 ルネサス システムデザインのスライド。
図1●従来の分散設計体制 ルネサス システムデザインのスライド。
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 登壇したのは、ルネサス システムデザインの田中延枝氏(第一要素技術事業部 デザインオートメーション部 技師)である(写真)。同氏によれば、ルネサス エレクトロニクスの車載アナログICは、日本とドイツ、マレーシアという3つの拠点で分散設計されている。従来は、分散設計がスムーズに進むように、日本とドイツ間、日本とマレーシア間、それぞれでFTPサーバーを経由してデータをやりとりしていた。

 ところが、この方法には課題があった(図1)。第1に、一定期間、データが更新されない拠点がある。第2に拠点の設計結果を手作業でマージするため、手間と時間がかかっていた。第3に手作業のマージによってミスが発生する恐れがあった。

 そこで、これらの課題の解決を図ると共に、ISO26262取得に向けて車載IC設計で必要とされる「設計データのバージョン管理の実現」や「トレーサビリティーの確保」を狙って、米IC Manage社のIC設計データ管理ソフトウエア「GDP (Global Design Platform)」(日経テクノロジーオンライン関連記事)を導入した。