デンソーは2016年9月14日、自動車分野以外の新事業に関する説明会を東京都内で開催した。ヘルスケアなど8分野を新たな重点分野と位置付け、これらを含む「新事業」のセグメントで「2020年までに売上高1000億円を目指す」(同社 取締役 専務役員の伊藤正彦氏)。

デンソーの伊藤氏
デンソーの伊藤氏
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は1950年に洗濯機を発売したり、その後も携帯電話機を手掛けたりするなど、古くから新事業に挑んできた伝統がある。その狙いには、新車販売の動向に左右されにくい事業構造を実現することや、エンドユーザー視点で世の中の変化を見通す力を育むことなどがあるという。2011年には「新事業推進室」を設置している。

 足元で「新事業」に分類されるのは産業機器や生活関連機器で、その売上高は年間650億円弱。全社売上高の1.4%を占めるに過ぎない。

 同社は「地球環境の維持」「安心・安全に暮らせる社会」への貢献という長期スローガンを掲げており、これに沿って今後、8分野を開拓する。マイクログリッド(家とクルマのエネルギーマネジメント)、セキュリティー、ヘルスケア、農業支援、コールドチェーン(食の鮮度維持のための物流システム)、電動アシスト(協働ロボットや産業用ドローン)、情報ソリューション、バイオ(微細藻類)だ。