韓国電力公社(KEPCO)の趙 煥益社長
韓国電力公社(KEPCO)の趙 煥益社長
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 韓国電力公社(KEPCO)の趙 煥益(チョ・ファンイク)社長は9月9日、自然エネルギー財団の設立5周年記念シンポジウムで講演し、韓国ならではの電力事情から、アジアスーパーグリッドの必要性を語った。

 アジアスーパーグリッドは、アジア各国の電力網を結び、太陽光・風力発電電力を融通し合う構想。ソフトバンクグループの孫正義社長が提唱し、中国の国家電網、ロシアの送電網会社であるROSSETI社とともに、韓国電力公社も関心を示し、この4社で事業性調査を開始した(孫氏の講演のニュース中国・国家電網のリュウ前会長の講演のニュース)。

 趙社長は、韓国の産業通商資源部次官、韓国輸出保険公社社長、大韓貿易投資振興公社社長など、韓国の公的機関や公社の幹部やトップを歴任した後、韓国電力公社の社長 兼 CEO(最高経営責任者)に就任した。

 韓国は、他の先進国に比べると、狭い国土内で電力を賄わなければならない。東西と南は海に囲まれ、北隣国が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のため、現在は隣国の電力網と連系できず、国内で完結する必要がある。

 同国では今夏、40年ぶりという記録的な猛暑となった。趙社長によると、そのような猛暑の中、「幸いにも、電力需給は比較的安定し、夏を無事に過ごすことができた」という。

 韓国は日本と同様、夏のエアコン負荷が需要ピークとなり、猛暑ほど電力の供給不足が生じる。趙社長の就任後も、猛暑が続き、電力需要が急増する中、火力発電のフル稼働が続き、技術的に打つ手がほぼなくなる状況に追い込まれた年もあった。