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HOMEエネルギー > リコー、完全固体型色素増感太陽電池を2017年4月に実用化へ

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リコー、完全固体型色素増感太陽電池を2017年4月に実用化へ

  • 野澤 哲生
  • 2016/09/14 19:00
  • 1/1ページ
リコーがAll about Photonics展に出展した完全固体型色素増感太陽電池のセル群
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温湿度センサー(左)とビーコン端末(右)に用いた例
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キーボードのファンクションキーに被せた例
ファンクションキーは普通にタイプできる。裏面に小型蓄電池とBluetooth 3.0の通信モジュールを実装してある。これで、室内光の下8時間充電すれば、約1時間入力作業ができるという。キーボードのすべてのキーに今回の太陽電池セルを貼り付けることも可能で、その場合、連続作業時間は大幅に伸びるとする。
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リコーが2016年1月の「nano tech 2016」に出展した大型セル(集電電極などはなし)
ただし、構造は「金属箔逆型DSSC」で、今回の完全固体型とは異なる。金属箔逆型DSSCでは、酸化チタン(TiO2)と色素材料を従来の透明電極側ではなく、金属泊側に成膜する。
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リコー電子デバイスの超低消費電流DC-DCコンバーター
同社が2016年1月の「nano tech 2016」に出展したもの
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 リコーは2016年9月14日、同社が開発中の「完全固体型色素増感太陽電池」をパシフィコ横浜で開催された展示会「All about Photonics 2016」に出展した。同社によれば、既にパターニング前のセルを30cm角の寸法で製造するラインの準備を進めており、2017年4月にも出荷開始予定だという。用途は主に室内光の下での、IoT端末や比較的低消費電力の周辺機器などへの給電などを想定しているという。

 この完全固体型色素増感太陽電池は、従来、ヨウ素溶液が使われていた色素増感太陽電池(DSSC)内でのキャリア輸送層をp型の有機半導体材料と固体添加剤の混合物に置き換えた電池である(2014年6月の研究開発発表)。これによって、従来のDSSCに付きまとっていた液漏れや色素の剥離といった課題を解決したとする。

アモルファスSi太陽電池に対し、同等の価格で発電性能は1.5倍

 固体型のDSSCはリコー以外も開発しているが、p型の有機半導体材料が一般には高価でコスト競争力のある製品は実現していなかった。リコーの場合、複合機に用いられている有機感光体と類似した構造の材料を用いるなど、同社が保有する材料技術やデバイス作製技術を生かすことで、「既存のアモルファスSi太陽電池と同程度の価格で世に出す」(同社)メドを付けたとする。

 試作した太陽電池モジュールは、同寸法のアモルファスSi太陽電池の約1.5倍の発電性能を備えるとする。試作品のモジュールの寸法は一辺が1.5cm~数cmだが、「需要が見えれば30cm角のモジュールも製造できる」(同社)という。

対応DC-DCコンバーターも開発

 リコーの子会社であるリコー電子デバイスは2016年1月の展示会「nano tech 2016」で、消費電流が標準100nAと非常に少ない降圧DC-DCコンバーターを出展していた。今回の完全固体型色素増感太陽電池も含め、IoT端末の電源回りの各種技術開発を進めているもようだ。

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