住宅用太陽光発電システムのインストラー(施工業者)として全米3位の米ビビントソーラー(Vivint Solar)社は9月12日、電気自動車(EV)の充電ソリューションを提供するチャージポイント(ChargePoint)社と戦略的に提携し、太陽光発電やEV充電、定置型蓄電池、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を統合して提供するサービス「Fully Integrated Solar」を提供すると発表した。カリフォルニア州の一部地域で提供を開始する。

ビビントソーラーがChargePointと提携し、太陽光からEVへの充電を可能とするソリューション「Fully  Integrated Solar」を提供
ビビントソーラーがChargePointと提携し、太陽光からEVへの充電を可能とするソリューション「Fully Integrated Solar」を提供
(出所:PRNewsFoto/Vivint Solar)
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 同社は「Fully Integrated Solar」によって、「消費者がクリーンエネルギーのエコシステムを家庭で構築できる」としている。

 チャージポイント社の住宅用EV充電システム「ChargePoint Home」は、市販のどのEVでも利用できる。1時間当たり最高25マイル(40km)分の充電が可能。

 米国における家電製品の省エネ規格である「Energy Star」認証を取得しており、待機時の消費電力が標準的なEV充電器より40%少ないという。

 ドライバーはスマホのアプリを使って充電のスケジュール管理や遠隔操作、消費電力のモニタリングなどを行える。

 自宅から離れた場所で充電する場合は、北米で4万カ所以上あるチャージポイント社の充電ステーション網を利用できる。

 チャージポイント社のColleen Jansenチーフ・マーケティング・オフィサーは、「これまでにないペースでEVが普及しつつあり、太陽光発電に関心を持つドライバーが増えてきている。太陽光から手軽に充電する一貫したソリューションをビビント社と共に提供していきたい」と今回の提携に期待感を示している。

 住宅用太陽光とEV充電のパッケージソリューションは、ビビント社に先立ってテスラ社が発表していた。テスラも、全米1位の家庭向け太陽光発電システムインストーラーであるソーラーシティを買収し、EVと充電器、太陽光、定置型蓄電池、エネルギー管理システムをすべて統合して顧客に提供する方向性を打ち出している。

 ビビント社は5月末に独ダイムラー傘下のメルセデスベンツ・エナジー社と提携し、定置型蓄電池を提供することを発表していた(関連記事1)。今回の発表により、EV充電も統合化することで、ビビント社のテスラへの対抗姿勢がより鮮明になった(関連記事2)。